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出会い・感動インタビュー

中野社長の横顔―地元の小千谷市では、町おこしに関わることが多かったとお聞きしています。

私の実家は祖父の代から続く家紋職人の家系で、私はその三代目として生まれました。家業を継いだことは継いだのですが、父から「もう着物の時代じゃなくな るから、自分で何か事業を考えろ」と言われて、23歳のときに独立起業しました。自分の仕事をしながら、ボランティア活動に町から声をかけていただき、何 か町のためにできないかということを、常に考えているような若者でした。
私自身も学生時代にバスケットボールに熱中していましたが、卒業後はバスケットにこだわらずに「スポーツで町を元気に」をモットーに活動していました。お 年寄りにゲートボールを教えたり、保育園で体操のお兄さんをやったこともあります。そうした経緯から、地域の人とのネットワークは自分なりに築いてきたと 自負しています。
とにかく、私は地元が元気になること、町おこしになることを目標に行動してきました。小千谷市の体育館に、熊谷組のバスケットボール部を呼び、地元の中学 生と試合をしてもらったこともあります。その中学生たちはその後、県大会、地区大会で優勝し、なんと全国大会へ出場することができました。子供たちに夢の ようなを体験させることの大切さを、私はそこで実感として学び取ることができました。

―中野社長は以前、地元の小千谷市にNBAチームを呼び試合を開催されました。

私は1996年に、小千谷市青年会議所の理事長に就任します。そこでこの新潟の小さな町にアメリカのNBAのチームを呼び、市民に本場のプロフェッショナ ルスポーツの感動と興奮を味わっていただくという企画を立ち上げました。実は最初からNBAとは思っていなかったのですが、市民に夢を与えるにはと考えて いくうちに、やはりNBAのチームに来ていただくしかないという結論に達したのです。このゲームは2年連続で開催しました。
正直、契約の問題など数々の壁にぶち当たり悩むことも多々ありましたが、なんとかOBのチーム(OBとはいえ、直近まで活躍して有名選手が大勢)を招聘することができました。契約の後は、チケット販売の問題が生じます。小さな町では1枚1万円のチケットが、なかなか完売にならないのです。万事休すかと思う寸前で、地域の青年たちが残りのチケット販売に奔走してくれ、どうにかチケットを完売することができました。
2000年にバスケットの新潟アルビレックスが誕生し、球団の社長に就任したのが元全日本チームの監督も勤めた河内敏光です。現在はbjリーグのコミッ ショナーを務めています。そんな人物が私の前に現れて、こう言うのです。「一緒に、夢を見ようよ」。そして「アルビレックスの社長になってほしい」という のです。最初は「この人は、何を言っているんだ」と思いましたが、それまでの私の地元での様々な活動を知った上で言ってくださっていることを理解し、二代目の社長を引き受けることになります。

今後の夢・抱負―「アオーレ長岡」と「コート事業コンソーシアム」について教えてください。

今年、2012年4月、長岡に4,600人収容可能なアリーナを備えた「アオーレ長岡」が誕生しました。ここはJR長岡駅からスカイデッキで直結している という好立地(徒歩3分)です。ちなみに「アオーレ」とは、「会いましょう」を意味する長岡地域の方言で、様々な人と人、人とモノの出会いが生まれるという期待を込めたネーミングです。
地方の体育館は、多くても2,000人収容が精一杯です。この人数ですと、どうしても子供たちに夢を与えるほどの年棒を選手に提示することは難しくなります。この「アオーレ長岡」のアリーナと同等の会場が他の地域にもどんどん広がっていけば、bjリーグの夢も限りなく広がっていくはずです。新潟アルビレッ クスBBの人気がきっかけで作られることになった事は、bjリーグとしても本当に嬉しく思っています。
この施設ができたことで長岡駅前=中心市街地の活性化が図られ、いま全国の自治体から視察が殺到しています。そして、この施設を参考に全国に広げる事を テーマに、慶應義塾大学の大学院の中につくりました。それが「コート事業コンソーシアム」です。「アオーレ長岡」を地域スポーツコミュニティの基地と位置付け、bjリーグの選手たち、地域の方、そして企業が一体となって、健康増進プログラムや子供たちのためのスポーツプログラム、そしてスポーツの場の提供 など、様々なサービスを提供していきます。

―最後になりましたが、中野社長ご自身の今後の夢や抱負をお聞かせください。

bjリーグの観客はバスケット未経験者と、昔少しやったという方が全体の85%です。男女比では女性のほうが少し多い。そして、子供たちやお年寄りの数が 多いことも特徴です。そんな多様な方々に試合以外でも楽しんでいただくために、試合開始前やハーフタイムに様々なエンターテインメントを行っています。チアリーダーショーや地域の女性の踊りの会が踊り、もちろん地域の子供たちの前座試合もあります。誰もが楽しめる企画に各地域の特徴を盛り込みながら、今後もますます充実させていきたいと思います。
たとえばバスケット好きな父親が、家族を連れて観戦に来るとします。「最初は行きたくない」と言っていた子供たちが、bjリーグの試合を観たとたん「お父さん、バスケットっておもしろいね!」---そんな風に言ってもらいたいと考えています。あるいは若いカップルが観に来て、将来その二人が結婚して女性が 母親になったときに、子供に「絶対バスケットをさせたい!」と言わせたい。私は常々、そんなビジョンを描いています。
個人的な夢としては仕事を引退した後、バスケットを通じて知り合った人たちを自宅に招いて、全国の美味しいお酒を酌み交わしたいですね。ささやかな夢ですが、私はそういう小さなものの積み重ねが、実はすごい力の源泉になっていくと信じています。

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