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社長挨拶 -MY MESSAGE-

人が見ていないときの努力

2015年9月30日

「アヒルの水かき」とはすばらしく上手なたとえだと思っています。
アヒルは水面に浮いて、涼しげな顔で前に進んでいるけど、その水面下では忙しく足を動かしている・・・
ということで、表面は何気なくやっているように見えるが、その陰では人知れず物凄い努力をしている・・・という意味にも通じます。

巨人・大鵬・卵焼き・・・とまで言われて、一世を風靡し32回の最多優勝記録を持ち、相撲の黄金期を築き上げた、元横綱の大鵬さんが、72才で今年の1月に亡くなられました。

「どうしてそんなに強かったんですか」、「天才ですね」と、言われ、持ち上げられるたびに、「とんでもない」と思ったそうです。 
「人より努力したから、強くなった」・・・自分は天才ではなく、努力の人間だと語っています。

樺太(現サハリン)で生まれた直後は体の弱い子供で、あまりの貧しさの中、小、中学生の頃から、家計を助けるため、納豆を売り歩いたり、水汲み、まき割り、もっこ担ぎ、道路工事、さらには山中での雑草刈りと、生活のために働く中で、体はだんだん鍛えられていきました。
16才で角界に入った頃は、183センチ、70キロ弱の体で、「電信柱」と呼ばれましたが、他の力士に負けたくない一心で稽古に打ち込んだそうです。

出稽古で初めて柏戸と戦ったら全く歯が立たず、それ以降、柏戸に勝つことを目標にしました。
その二人が切磋琢磨して「柏鵬時代」と呼ばれ黄金期を築きました。

横綱になってからもケガや病気に悩まされ、再起不能と言われながらも、その苦境を何度も跳ね返し、入院中も病室を抜け出し、夜の公園を走ったりした。
むしろ大怪我の後、以前より「淡々とした相撲」を取るようになったと喜んで、目の前に現れる困難や壁を常に自分の力に変えてきたのです。

「勝つために稽古し、努力の過程で精神面も鍛えられる、最初から精神が強かったわけではない」
「なにくそっ」という根性が大切だよ―と。

世間から、「天才」と称される人でも、実は、見えないところで、それだけの努力を積み重ねているものです。

私は、全ての人には、あらゆる才能がある・・・と思っています。
しかし、その才能を開花させられるかどうかは、どれだけの努力をしたかによって、決まるのです。
「あの人は、才能があったから出来たんだ」というのは、努力しない人の言い訳に過ぎません。
「努力は才能に優る」と、私は確信しています。

「あらゆる素質の中で、最も大事な素質は、努力することが出来るかどうかという素質である」というのが、今まで明治大学の監督として、また、日本代表のナショナルチームの監督として、何百人もの選手を育ててきた私の結論であり、持論です。

才能は、後から身につけることができるのです。
才能さえあれば努力しなくてもいい━は、あり得ません。
あひるの水かきのような努力をし続けることが大事なのです。

一生懸命、願晴ることは、何かを成し遂げるためのものではありますが、それ自体が人生を生きる目的なのではないか・・・と私は信じています。
 

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